小嶋章吾・嶌末憲子●介護報酬改定とLIFEの稼働
「科学的に効果が裏付けられた自立支援・重度化 防止に資する質の高いサービス提供の推進を目的とし、…PDCA サイクル・ケアの質の向上を図る取組を推進する」(※)ために、令和3年度介護報酬改定において新設された科学的介護推進加算等の算定要件として、同システムへのデータ提出等が求められています。
※厚生労働省老健局老人保健課、各都道府県介護保険主管課(室)宛 事務連絡
「科学的介護情報システム(LIFE)」の活用等について、令和3年2月19日
●「PDCA サイクル・ケアの質の向上」には"動態的データ"が不可欠
LIFEへ提出が求められるデータは、ADL等の"静態的データ"に限定されており、日々の介護記録(経過記録)のような"動態的データ"は含まれていません。
「PDCA サイクル・ケアの質の向上を図る」には、"静態的データ"のみならず、"動態的データ"も不可欠です。しかし、介護記録(経過記録)の現状は、多くの場合、自由記述で書かれており、データとして活用することが困難です。
●介護記録標準化のための調査研究結果を活かせるか?
令和元年度・令和2年度と2年間にわたり、厚生労働省の老人保健健康増進等事業において、介護記録の標準化をテーマとした調査研究事業が実施され、F-SOAIPもその調査対象ともなりました。
介護記録(経過記録)をデータとして利活用するために、近く公表予定の調査研究結果から、F-SOAIPの有用性が明らかになり、介護記録の標準化が実現することが期待されます。
★F-SOAIPは介護記録や支援経過記録のみならず、カンファレンス等の会議録でも有用です。
2021年4月記
https://www.accenture.com/_acnmedia/PDF-175/Accenture-LIFE-Investigative-Research-Project-Related-Collected-Items.pdf#zoom=50
「収集項目・評価指標の整理・見直し」に関して、
F-SOAIPの活用を検討している事業所があることが分かりました。
●現状の課題「 日頃の記録データを利活用 できない。」
↓
●今後の方向性「日頃の記録より、フィードバ ック時にアドバイス出来る項 目がないか検討する。 F-SOAIP 等を活用した入 力・活用を検討する。」
※LIFEとF-SOAIPの関係
LIFEで収集されるのはADL等の静態的データです。
静態的データの変化の根拠となるのが、
動態的データである経過記録(介護記録、看護記録、リハ記録、栄養指導記録)です。
しかし、経過記録が叙述形式(自由記述)では、データとしての利活用が困難です。
項目形式のF-SOAIPで記載された経過記録であれば、データとしての利活用が容易となります。
ここに、F-SOAIPがLIFEを支える経過記録法であることの所以があります。
※参考文献
『月刊ケアマネジメント』2022年1月号、連載「記録革命が未来を拓く」第8回
「介護の科学化に向けたこれからの施設ケアプランの展望〜LIFEとF-SOAIPのデータ活用〜」
(社会医療法人敬和会 介護老人保健施設大分豊寿会 松田和也・髙橋真実)
●テーマ:介護現場に導入する記録用システム(経過記録)について
~多職種でデータ利活用可能な生活支援記録法F-SOAIP搭載の提案~
●介護の実践過程を漏れなく・齟齬なく記録できるF-SOAIPにより、
介護記録法標準化の加速が期待されます。
●『最新医療経営PHASE3』2021年6月号(本トップページの下部を参照下さい。)
科学的介護に資するF-SOAIPの課題について、
小川克巳参議院議員・参議院厚生労働委員長による寄稿が掲載されています。